人間の味覚は、口に入れたものの温度によって感じ方が変わります。
例えば砂糖が入った、あったかいペットボトルのレモンティー。
熱々だと程よい甘さを感じますが、冷えてくると甘ったるく感じないでしょうか?
砂糖の量は変わりませんが、このように感じ方が変わってきます。
では、コーヒーではどのような変化があるのでしょうか?
温度によるコーヒーの味わいの変化
熱々:味の像がぼやけ、コーヒー本来の特徴を感じにくい
温度が高い:苦味がマイルド。
ぬるい:甘味を強く感じる。
温度が低い:苦味が強くなる。
酸味については温度で変わりませんが、他の要素で感じ方が変わります。
浅煎りだと温度が低いときに、深煎りだと温度が高いときに感じやすい印象です。
冷めたコーヒーは美味しくないか
カッピングでは温度が冷えてからの味わいも評価されます。
温度の変化で、隠れていた味が出てくる可能性があるからです。
最近人気の浅煎りですが、豆本来の味わいを感じるために浅煎りにしているところが多いかと思います。
先ほども述べたように温度が下がると、浅煎りの酸味、つまりは本来の豆の個性が感じやすくなるため、必ずしも冷えたからと言って美味しくないとは言えません。
結局何度で飲めばよいか
一概に何度が良いというのではありませんが、筆者の感じた印象をまとめると以下のようになります。
コモディティコーヒー等の量販店のコーヒーは、雑味をあまり感じないようにするため高めの温度をお勧めします。
しかし、熱々のものをぐっと飲んでは味わいがぼやけているので、少しだけ冷ましましょう。
スペシャルティコーヒーの場合は、温度の変化を楽しむため、温度が高いときから低くなるまで、時間をかけてゆっくり飲むべきです。
以前、エチオピアのカップ・オブ・エクセレンスに選ばれたコーヒーを飲みました。
そのコーヒーは温度が高いときはエチオピア独特なフローラルな香り、ぬるくなるにつれ甘みが増し、青い果実系の酸味、冷めたときには柑橘系の酸味を感じるという不思議な体験をしました。
こういったコーヒーの不思議な体験をするためにも、よいコーヒーは時間をかけて味わうと良いでしょう。