アラビカ？ロブスタ？コーヒーの品種による様々な風味の違い【まとめ】

アラビカ種

商用として世界の流通の多くを占めているのが、このアラビカ種。

栽培には海抜1000メートル前後の雨季と乾季がある高地が適しています。

味わいも豊かな風味が特徴で酸味がしっかりでます。

そのかわり「サビ病」という病気にかかりやすく、栽培が難しいという弱点もあります。

モカ、マンデリン、ブルーマウンテンなど、聞いたことあるかもしれませんが、全部アラビカ種です。

カネフィラ（ロブスタ種）

アラビカの次に多いのがロブスタ種。

海抜500メートル以下の低地でも栽培が可能。

また病気や害虫には強いといわれています。

味わいは苦みが強く、アラビカ種よりは味わいが劣るとされている。

他にロブスタ独特の麦茶のような風味があったり、カフェインやクロロゲン酸が多いなどの特徴もあります。

病気に強く生産性に優れるため、缶コーヒーやインスタントコーヒー、安価なコーヒーによく使われています。

ただし、最近はロブスタでもスペシャルティコーヒーのように美味しいものも出てきています。

アラビカ種の品種いろいろ

アラビカ種は品種改良させたり、もしくは自然交配を繰り返し、様々な品種に分かれています。

その数は数え切れないほど。

その中でも有名な品種と味わいについて紹介していきます。

エチオピア在来種

最古のアラビカ種でエチオピアに自生していたもの。

ゲイシャやイルガチェフェ、シダモがこれに当たる。

ゲイシャ

ゲシャ村という地名からとってゲイシャとよばれている。

決して日本の芸者ではないです（笑）

フローラルな花のような香りが特徴的で、まるで紅茶のようなコーヒーです。

世界でも注目されていて、高価なことが多いです。

モカ・シダモ

エチオピアのシダモ地方で生産されているもの。モカは、当時イエメンの豆と一緒に出荷されていたイエメンの港の名前が由来です。

フルーティーな香りが特徴的で、甘みがあります。

イルガチェフェ

イルガチェフェもシダモ地方ですが、特にイルガチェフェ村で作られたもので、世界的に最高品質と認められているものです。

ティピカ

アラビカ種の原種とも言われ、このティピカから突然変異が起こったり、品種改良されたことで様々な品種が生まれています。

ティピカは特に病気に弱いため、生産が少ないのが現状です。

他の種と比べ原種らしいクリーンな味わいです。

マラゴジッペ

マラゴジッペはティピカの突然変異で、

果実もコーヒー豆（種）も木自体とても大きいのが特徴です。大きくて丈夫なのですが、逆にその大きさ故に収穫が難しく生産性は低いです。

ブラジルのバイア州マラゴジペという場所で発見されました。

ほのかなコクと酸味があり、クリーミーな舌触りが特徴です。

ケント

ティピカの突然変異で、サビ病に強い特徴をもつ。

インドをはじめ、ケニア・タンザニアに広まった。

ケントは発見した人の名前が由来。

スマトラ

ティピカの突然変異で、インドネシアのスマトラ島で発見された。

強いコクと苦味を持っている。

マンデリンに含まれる品種。

ブルボン

ティピカの突然変異種といわれている。

イエメンからブルボン島に持ち込んだティピカが突然変異したとされるもの。

小粒で丸い形が特徴。

風味のバランスが良いとされるが、病害虫に弱く収穫量が安定しない。

ムンドノーボ：ブルボン×スマトラ

ブルボンとスマトラの自然交配。

丈夫で環境の変化に強く収穫量も多いです。さらに甘味・酸味のバランスも良いです。

南米を中心に栽培が広がり、ブラジルでは国内で生産するコーヒー豆の代表的な品種の一つです。

カトゥーラ（カツーラ）

ブルボンの突然変異種。

特徴的なのは樹木が短く、枝間の距離が短いこと。それによって収穫がしやすく生産性が高いです。

病気に対しては、ブルボンよりは強いが、比較的弱いほうです。

味わいとしては酸味が強め。

ハイブリッドティモール：アラビカ×カネフィラ

アラビカ種とカネフィラ（ロブスタ）種の自然交配種。

アラビカ種の風味の良さとカネフィラ種の病気に強い特徴を兼ね揃えています。

本来のアラビカ種よりも風味は劣るため、

品種改良に使われ、風味を良くしたり、さらに病気に強くしたりなどされていきました。

ハイブリッドティモール自体はあまり流通していません。

カトゥアイ（カツアイ）：ムンドノーボ×カトゥーラ

ムンドノーボとカトゥーラの改良品種。

ムンドノーボのバランスの良い味わいにカトゥーラの収穫のしやすさ加えたような形。

味わいも良く、生産性も高く病害虫にも強い品種です。

ブラジルや中米で栽培されています。

カティモール（カチモール）：ハイブリッドティモール×カトゥーラ

ハイブリッドティモールとカトゥーラの改良品種。

ハイブリッドティモールにカトゥーラの収穫のしやすさを加えたような形です。

生育も早く、生産性も高く、耐病性も高い。

高い標高の土地で栽培されると豆の個性が出る品種で、アジア圏や南米などで栽培されている。

終わりに…

今回紹介した以外にも本当にたくさんの品種があります。

ぜひコーヒー豆を買うときは品種までチェックしてコーヒーライフを楽しんでみてください。